カラフル眼鏡

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ある日、素晴らしい眼鏡を手に入れた。眼鏡を通して見るとその本質が見えるもので、聖人のような人を見ると白く、汚職疑惑のある政治家を見ると黒く見えたりする。神様が祀られている神社や教会は強い光が差し、悪霊が住み着いていそうな心霊スポットは黒ずんで見えた。
その眼鏡を手に入れた僕は、密かに想いを寄せる人がいた。
その人をどう映すのだろうと気になった僕は眼鏡を掛けてその人に話し掛けた。
今度どこかで食事でもしませんか。
すると眼鏡はその人を、太陽の光みたいに温かみがあって、冬のこたつみたいに優しい色で映して見せた。きっと僕への好意が見えているに違いない。
それから僕は恋人と予定を合わせて食事をし、とっておきのバーに連れて行ったり、抜群の夜景を一緒に見に行ったりし、秘めた想いを打ち明けて、晴れて恋人と想いを遂げることができた。
ところがその時、恋人は僕に告げた。
コンタクトのあなたの方が好き。
SF
公開:17/11/14 10:39
更新:17/11/14 13:36
FCA

堀河竜( ぐっどらっくひる )

ダジャレインスピレーション型ショートショートライター(素人)
犬に踏まれるのが好きな猫好き。

元PN:堀川猫柳

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