宇宙人食

　宇宙人を食べたことがあるというアフリカの未開人を取材に行った。言葉が通じないので、ボディランゲージを駆使。宇宙人は、外見は自分たちとそれほど変わりなく、美味しかった、ということは感じ取れた。招かれた酋長の家で御馳走になったお酒がおいしくて飲み過ぎ、いつの間にか眠っていた…
　翌朝目が覚めると、全裸で縛られて、身動きできなくなっていた。パニックで泣き叫んだが、どうにもならない。冷静になって考えた結果、どうやらその部族にとって宇宙とは、自分たちの住んでいる世界の外のことを言い、その意味では、外から来た自分は、彼らにとって宇宙人であり、宇宙人はおいしいのだ、と いうことに遅れ馳せながら思い至った。
　言葉が通じないので命乞いをしても無駄だが、この場で死んだとて悔いが残るような人生でもなし、後は、生きたまま焼かれるとか、踊り食いされる、などということなく、屠殺されることを祈るしかないか…