依存症改札

1
294

趣味のない人が多くなってしまった時代。お金を稼いでも使う先がない。国民から生産意欲がなくなった結果、国のGDPは急降下した。
その状況を打開すべく政府が打ち出したのは「依存をするものがあれば人間は必ず消費を行う、そしてそのために働き生産をし、経済が回り始める」という経済評論家の意見によって、通れば何かに必ず依存することができる「依存症改札」だ。
ついに政府は国鉄と協力して切符を買えばすべての人が何かしらの依存症となれる改札を作り上げる。次々と切符を買い、改札をくぐる人々が現れる。
……そして依存対象に投資した結果経済が回り始める、そのはずだった。
だが最も多くの人が選んだのは、国庫に依存し生産活動をせずに、税金に頼り切るという国家依存症であった。
SF
公開:17/11/17 19:22
更新:17/11/17 22:42

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容