必然タイマーサバイバー

偶然を必然にし、数分後の行動を決められるタイマーがあった。目的と時間を入力してスタートすると、身体が勝手に動き出し、時間までに目的の行動を完了する事が出来るのである。

例えば、「《10分後》《電車に乗る》」と入力したタイマーをセットしておけば、遅れずに目的の電車に乗る事が出来る、とても便利なアイテムだ。

しかし、最近、本来とは違う危険な使い方をする人がいる。ある若者が、仲間達とふざけてスリルを求め、「《5分後》《崖から飛び降りても無傷で生還する》」と入力したタイマーを仕掛けて、崖から飛び降りた。木の枝に引っかかったり、スリリングな奇跡が起こって、偶然命が助かるものと思って。

しかし、15分経っても、彼は戻ってこなかった。仲間達がタイマーを確認すると、残念な事に途中で電池が切れてしまっていたようだった。