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近い未来、花粉症が全世界で蔓延して、人々は気軽に外を歩けなくなってしまった。空は花粉で黄色く濁り、青空も見えなくなった。さらに、紫外線が強くなり、昼間でもカーテンを閉めなければならなかった。
それなので、人々は部屋の窓に空色のカーテンをつけるようになった。最新のカーテンは布がスクリーンのようになっていて、ゆっくりと雲が動いていく映像が流れ、本物の空のように見えた。
その内、ただの空では飽きてしまい、花火が上がるカーテンやオーロラの見えるカーテンも発売された。さらに、人々は退屈し、おしゃれな空色を求めた。ピンク、緑、紫と、空の色にも流行が生まれ、いつしか青空は「古臭い」と言われるようになってしまった。
遠い未来に生まれた子供が、友達に声をかける。
「空色のクレヨンを取って。」
声をかけられた子が手に取ったのは、黄土色のクレヨンだった。誰も、本当の空の色を覚えていなかった。
それなので、人々は部屋の窓に空色のカーテンをつけるようになった。最新のカーテンは布がスクリーンのようになっていて、ゆっくりと雲が動いていく映像が流れ、本物の空のように見えた。
その内、ただの空では飽きてしまい、花火が上がるカーテンやオーロラの見えるカーテンも発売された。さらに、人々は退屈し、おしゃれな空色を求めた。ピンク、緑、紫と、空の色にも流行が生まれ、いつしか青空は「古臭い」と言われるようになってしまった。
遠い未来に生まれた子供が、友達に声をかける。
「空色のクレヨンを取って。」
声をかけられた子が手に取ったのは、黄土色のクレヨンだった。誰も、本当の空の色を覚えていなかった。
SF
公開:17/11/06 03:23
更新:17/11/07 01:08
更新:17/11/07 01:08
普段は曲を作って歌ってます。
妄想と空想が好きです。
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