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羽の無い、自称天使。

私の周りをうろうろと動き回って、時折楽しそうに笑いをこぼす。

ねえ見て、空が茜色!綺麗ね。

ああうん、そうね。

辞書を片手に机に向かう私の、適当な返事で彼女は満足したようで、机の端に腰掛け、夕焼け空を恍惚とした目で眺めている。

空が恋しいの、帰りたいの。

聞けなかった。
SF
公開:18/04/04 08:43

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