ヒーローという存在

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ある日、ひょんなことから僕は超人的な力を得て、スーパーマンとなった。

どうせなら人の役に立つことをしたい。そう思った。

とりあえず国内にいる犯罪者を片っ端から成敗し
周辺国からの攻撃も身を呈して阻止し
人命救助に努めた。

そんな生活が3年ほど続いたある日、突然その能力は消えた。
これで国としても、僕自身にも平和が訪れたと思った。

しかし、その後の世界は散々なものだった。
国内では麻薬、窃盗、殺人などの犯罪が後を絶たなくなり
周辺国からの攻撃に見舞われ
災害などで多くの人が死んだ。

なぜ警察や自衛隊、レスキュー隊員は何もしないんだ?
あ、僕がいたからか。
僕という存在がこの国をダメにしたんだ…

スーパーヒーローの出現によって、人々から危機意識が欠如した結果が招いた産物だった。
その他
公開:18/04/04 03:07

坂尾 のぼる( 愛知 )

毎日1本、短編を書くのを目標に再度始めました。
暇なときにでもご一読ください。

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