廃線

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ある田舎の路線の廃線が決まった。私以外の人が乗ることは年に数度しかないので納得はいくが、せめて高校を卒業するまでもう1年はやって欲しいところだった。
最後の日の最終電車には多くの人が集まった。普段から来て貰えれば廃線になることも無かったのに。
乗車券はたちまち完売したそうで、乗り切れなかった人々は駅のホームに押し寄せ、幸運にも乗車券を手にした者は車内で最後の時を過ごしていた。
電車は終点に到着し、廃線セレモニーが執り行われた。式は滞りなく進められ、駅長の挨拶が始まった。
「この路線は長い歴史の中でたくさんの人に利用されてきました。」
集まった人々は固唾を飲んで話に耳を傾けている。
「本日、最後の日を迎えましたが、多くの皆さんにお集まり頂き、感謝してもしきれません。」
「お陰で多くの乗車券が売れ、もう1年運営できることが決まりました。」
周りの人々は唖然とし、私は笑みを浮かべた。
その他
公開:18/04/04 00:23
更新:18/04/04 00:34

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