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「春の夫婦星、知ってる?」

彼女はこちらを見ずに問いかける。
そんなもの聞いたこともない、小さく返しながら、彼女の視線の先を追いかけた。
都会に近く、明るさが消えない街でも見える星はたくさんあるように思う。

白く眩しい星か。
オレンジの強い星か。

「知らないわりには、いつも見つけるのが早いよね」
「そうなのか?まあ、お前が見てるものは見ておきたいしな」

そういうところがアークトゥルス。
そう笑うお前にスピカという単語を渡せるようになるには、まだ時間が必要そうだった。
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公開:18/04/03 20:48

どーみや

空に煌めく星を優しい声で包んでいる空間が好きな者。
他愛ない日常を書き留めておきたい。

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