大呆家不動産

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その男は不動産屋を一人で経営していた。
そこへ小太りの女が来店した。
「私にピッタリの部屋探してほしいの」
「ございますよ」
男は女を車に乗せ現地に到着した。
「どうです。間取りも関取もあなたにピッタリだ」
力士たちがぶつかり稽古をしていた。
「相撲部屋じゃないの!」
男は投げ飛ばされた。上手投げだった。

帰社してすぐ老人が来店した。
「あ、ピッタリの部屋ございますよ」
「まだ何も言っとらんが……」
男はモデルルームに案内した。
「ワンルームか、なるほど。そろそろわしも考えんとな……って棺桶じゃねーか!」
老人は棺桶をぶちまけ去っていった。

また暫くして青年がやってきた。
「シェアハウス探してくれる」
「ゲストハウスならございますよ」
男が案内したのは、とある高級マンションの一室だった。
インターホンを押すと中から黒柳徹子が顔を出した。
「ゲストはこの方?」
「徹子の部屋じゃねーか!」
その他
公開:18/04/04 18:32
不動産屋 大ボケ お笑い 部屋

豊丸晃生( 大阪 )

ショートショートの神様、星 新一を崇拝しています。お笑い好きで怪談も好き。
お笑いネタのような作品が多いですね(笑)
【受賞作品】
「渋谷シティ」
渋谷ショートショートコンテスト優秀賞受賞。
「我が家の食卓」
ベルモニーショートショートコンテスト入賞。
「電車家族」
隕石家族ショートショートコンテスト入賞。
「大男の力自慢大会」
「スカイフィッシング」
空想競技2020ショートショートコンテストW入賞。

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