子犬と花火
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「ごめん。」
グレーと紺の浴衣を着た意中の人から溢れた言葉、一拍子を置いて盛大に花火が上がる。本当は亮吾君と一緒にこの花火を一緒に眺める計画だったのに。花火の音が耳に刺さる。
十秒くらい過ぎただろうか。ごめんと呟いた亮吾君は再び「ごめん。友だちが待っているから。」と言葉を残し向こうへ行ってしまった。
私はただ歩いた。草履でとれる歩幅が煩わしくも感じる。自然と人の少ない方へと歩みを進め、花火の音が少し陰ると頬を涙が伝った。
本当に亮吾くんの事好きだったんだ。今更自分の気持ちを再確認しショックを受ける。
暫く手拭いで顔を覆っていた。
ふと顔を覆う手に生暖かい感触を感じた。驚いて顔をあげるとそこには可愛いポメラニアンの子犬の顔があった。いつの間にかしゃがんでいたのだ。
「お~い、小太郎、お姉さんの迷惑になるよ。」
そう駆け寄って来たのは時々見かける高校生くらいのしゅっとした可愛い男の子だった。
グレーと紺の浴衣を着た意中の人から溢れた言葉、一拍子を置いて盛大に花火が上がる。本当は亮吾君と一緒にこの花火を一緒に眺める計画だったのに。花火の音が耳に刺さる。
十秒くらい過ぎただろうか。ごめんと呟いた亮吾君は再び「ごめん。友だちが待っているから。」と言葉を残し向こうへ行ってしまった。
私はただ歩いた。草履でとれる歩幅が煩わしくも感じる。自然と人の少ない方へと歩みを進め、花火の音が少し陰ると頬を涙が伝った。
本当に亮吾くんの事好きだったんだ。今更自分の気持ちを再確認しショックを受ける。
暫く手拭いで顔を覆っていた。
ふと顔を覆う手に生暖かい感触を感じた。驚いて顔をあげるとそこには可愛いポメラニアンの子犬の顔があった。いつの間にかしゃがんでいたのだ。
「お~い、小太郎、お姉さんの迷惑になるよ。」
そう駆け寄って来たのは時々見かける高校生くらいのしゅっとした可愛い男の子だった。
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公開:18/04/01 21:37
ショートショートというよりも短編小説、掌編小説という感じになってしまうかもしれません。
自分のペースでやっていこうと思っております。
ショートショート・ガーデンにアクセスする頻度は高くありません。
1回のアクセスで多くても10作品見るかどうかです。すみません。
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