食用ロボット蟹

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「お先に失礼いたします」今日入った新人。「いたします」ってなんか新鮮な響き。
最近忙しかったし、私も久しぶり早く帰って蟹でも食べるかな。
天然は無理だからロボットでね。
2110年。世界の海は無くなり、海の生き物はすべていけすで飼育。だから、破格な値段の天然モノなど手に入らない。今はロボット蟹が一般的な世の中。ロボット蟹は手足の部分が空洞になっており、中にカニカマが充填されている。

帰宅中、白い塀が目に入る。クレーンのアームらしき物が見える。『ズボッズズッ』何かを入れているような音。塀に“かに満腹本店”の貼り紙がある。
あっ!これは!、隙間から覗いて見ると、巨大なロボット蟹が横たわり、カニカマを充填していた。
えっえっえっえっ!噂には聞いていたけど、こんなに大きいなんて。それにあのカニカマ金粉入りのはず。いったい何人分なの。アワアワしちゃてる私の方がホンモノの蟹みたい、なんちゃって。
ファンタジー
公開:18/04/03 13:05

まりたま

いつか絵本を1冊出せたら...
そう思いながら書いてます。
少しだけホッコリしていただければ嬉しいです。
でも、たまにブラックも書きますけど。

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