孵化するスマートフォン

スマートフォンの機種変更をしようと店舗へ入ったところ、妙なものを見つけた。
「スマートフォンの卵」
店員に聞くと、最近流行っているらしい。

何でも購入してすぐは電源すら点かないらしい。
1週間ほど人肌で暖めると、やっと電源が点く。
「餌」はインターネット上の情報だそうだ。

2ヶ月ほど使ってみて、流行っている理由が分かってきた。
最初は色々と検索して、「餌」を与えていた。
しばらくして、成長したスマートフォンは自分から「餌」を取るようになった。
私が知りたいと思っている情報を知らず知らずの内に集めてくれているのだ。
SNSでは趣味の合う友人も自動で見つけてくれる。
どうやら上手く育ってくれたようだ。

じゃあ、きちんと育てられなかったスマートフォンはどうなるのか？
電車や病院で一度は見たことがあるだろう。
ギャーギャーと鳴いている、しつけが出来ていないスマートフォンを。