就活生×未来人
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押し寄せるお祈りメールに辟易した俺は、いい時間からバーでグラスを傾けていた。
相当数の面接を受けると何かコミュ力が上がった気になる。お酒の力も手伝い、横で飲む男性に声をかけてみた。
「お兄さん、どこから来られたんですか?」
男は訝しみながらも返してくれた。
「そうですね、未来でしょうか」
随分と酔っているのか、おかしなことを言う。
しかし、俺も志望動機以外の話がしたく乗ってみることにした。
「へぇ、未来はどうなってます? 戦争は?」
「なくなりましたね」
「平和なんですね、じゃあ環境問題は?」
「それも特に問題視されていません」
「すごいなぁ、犯罪とかは?」
「ありませんね」
「桃源郷みたいです。一体どんな技術が?」
「技術革新ではなくて、人類はほとんど滅んでしまうのです。今からほんの10年後のことですよ」
10年と聞いて俺は就職活動が馬鹿らしくなった。
相当数の面接を受けると何かコミュ力が上がった気になる。お酒の力も手伝い、横で飲む男性に声をかけてみた。
「お兄さん、どこから来られたんですか?」
男は訝しみながらも返してくれた。
「そうですね、未来でしょうか」
随分と酔っているのか、おかしなことを言う。
しかし、俺も志望動機以外の話がしたく乗ってみることにした。
「へぇ、未来はどうなってます? 戦争は?」
「なくなりましたね」
「平和なんですね、じゃあ環境問題は?」
「それも特に問題視されていません」
「すごいなぁ、犯罪とかは?」
「ありませんね」
「桃源郷みたいです。一体どんな技術が?」
「技術革新ではなくて、人類はほとんど滅んでしまうのです。今からほんの10年後のことですよ」
10年と聞いて俺は就職活動が馬鹿らしくなった。
SF
公開:18/03/31 00:56
大学生。楽しいことを思いつくと嬉しい。
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