茶柱

お爺さん、見て下さいな。茶柱が立っていますよ。
本当かい、お婆さん。どれどれ、ほぉ～、これはりっぱな茶柱だ。おそらく、パルテノン神殿を支えていた柱の一本に違いないよ。
本当かしら。私は違うと思うわ。
婆さんは何だと思うんだい。
これはきっと古代に建造されたバベルの塔よ。登って行けば神様に会えるんじゃないかしら。
会ってどうする。
美味しいお茶の入れ方を教えてもらうわ。神様ならそんな事、お茶の子さいさいだもの。
それは、こんな風にかい。アチャー、オチャー
お爺さん、茶化しているの。
いや、へそで茶を沸かす様な話だと思ってね。はぁ～、それにしてもこの茶柱は一体何なんだろう。
やあ、そこのお二人さん。何を悩んでいるんだい。
実はこの茶柱が何なのかを二人で話していたんだ。
なんだい、知らないのか。これは茶の木だよ。この大樹を削る事でお茶が生まれるんだ。でも、生で食べちゃダメだよ。渋い顔になるから。