一等賞

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「何等賞になりたいですか?」
 そう聞かれて、一等賞以外をいう子供がどこにいるだろう。
 かけっこは自信が無いとか、絵は苦手だとか。そういうのがあっても、どこかで何かの一等賞になりたい。
 でも、ほとんどの子供が「なれない」。
 一等賞は、遠いものなのだ。
 この間、絵画コンクールの二等賞の賞状と、持久走の参加賞が見つかった。
 母は、それを破りながらこう言った。
「片付け忘れていたわ。うちの子は何をやってもだめだ」

 私は一等賞になりたかった。
 何もできないけれど、せめて、母から愛されたかった。
 作文の束も捨てられた。小学校の作文の内容だ。ーー想像はつくだろう。
 私は、一等賞になりたかった。
 どうすればなれるのか、未だに分からない。
その他
公開:18/03/31 23:57

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