赤い糸
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私はたった今、失恋をした。同じクラスの村上君に恋をして半年、彼には運命の人がいたのだ。
2か月前。彼の小指に赤い糸が絡みついていた。どうやら本人には見えないらしい。最初はただ巻き付いているだけだったが、1ヶ月後には数十センチになって教室の空間を漂っていた。村上君は誰かに恋をしている。運命の相手が、私だったらいいのに。なんて期待も虚しく、今朝、糸はとうとう教室の外を飛び出し、廊下の奥へと続いていた。きっと、他のクラスの誰かなんだ。
放課後、私は速攻で帰宅しベッドに突っ伏して泣いた。その時、枕元の携帯に気付いた。「…今日、携帯忘れてた。」手に取り、はっとする。部屋の窓から伸びる赤い糸が、携帯に巻き付いていた。
未読メッセージ:1件
「急にごめん。放課後、時間あるかな?2人で話がしたいんだ。」
私は身体を起こすと、部屋を飛び出した。しっかりと、赤い糸を自分の小指に巻きつけて。
2か月前。彼の小指に赤い糸が絡みついていた。どうやら本人には見えないらしい。最初はただ巻き付いているだけだったが、1ヶ月後には数十センチになって教室の空間を漂っていた。村上君は誰かに恋をしている。運命の相手が、私だったらいいのに。なんて期待も虚しく、今朝、糸はとうとう教室の外を飛び出し、廊下の奥へと続いていた。きっと、他のクラスの誰かなんだ。
放課後、私は速攻で帰宅しベッドに突っ伏して泣いた。その時、枕元の携帯に気付いた。「…今日、携帯忘れてた。」手に取り、はっとする。部屋の窓から伸びる赤い糸が、携帯に巻き付いていた。
未読メッセージ:1件
「急にごめん。放課後、時間あるかな?2人で話がしたいんだ。」
私は身体を起こすと、部屋を飛び出した。しっかりと、赤い糸を自分の小指に巻きつけて。
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公開:18/03/31 18:47
結婚し、幸せになりを潜めて3年。
再び書きたくて登場。
多分そのうちまた消える。
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