三階

2
164

 二階から目薬をした。容器からはなたれた雨粒は物理法則に従ってじわり、じわりと速度を上げ、眼球へ直撃した。目薬をすれば目がすっきりとして二階以上の景色が見えるだろう。じんわりと眼球に目薬の成分がしみこむ。視力がさらに上がるように感じる。

 景色がどんどん目に迫る。雲が鮮明に見え、青い空が見え、昼間なのに星が見えてきた。より遠くのものが見える。星や銀河が近づいてくる。宇宙の果てが見える。宇宙の果てって何もなく、ただ暗いだけだ。

 でも宇宙の果ての先をみたい。自分がサッカーボールの中にいるなら、六角形模様の天井を突き破り、その先をみたい。その先はどうなってるのか。

 三階に行けば先が見えるだろうと上ってみたが何も変わらない。最果ての近くに来たけども、景色は変わらない。天国に行ってみたが景色は変わらず。想像力という天井に阻まれて見えないのだ。

 
ファンタジー
公開:18/03/28 21:55

ヒルタ

ツイッター https://twitter.com/h1llcoyyg @h1llcoyyg
はてなブログ http://hillkoji.hatenablog.com/

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容