捨丸参上‼

テメーら‼いい加減にしろ‼
殺しちまうぞ‼ここで頭冷せ‼
暗い穴蔵に
俺と捨丸は放り投げられた…

行ったか？
捨丸はうなずく
計画通り行くぞ‼俺達は足抜けをした
捨丸に海を見せてやる為に…
道中
天女の様な女を見つけた‼
頼むよ‼こいつさ！
親も女も海も知らないんだよ‼
先も長くねえし…
あっ‼そうだ小判がある
これで教えてやってくれよ‼
『わかったよ…明日またここに来な』
捨丸は２晩帰ってこなかった…
その間
俺は今迄の諸行を振り返っていた…
ふっと目が覚めると…
捨丸が血色良くニコニコして
俺の顔を覗き込んでいる…
行くぞ‼
関所を迂回して山の中を進む
まだ
元気にニコニコしてると思ったら
突然⁉
ゴボッと血を吐いて倒れた…
それから
俺は捨丸を背負い
先を目指した…海はすぐそこだ…

俺達は並んで座って
ずっと遠くを見ていた…
太陽が沈みかけた頃
俺の肩に捨丸の頭が
ふっと落ちた…