閃いた

あっ、鮃、いた
えっ、鰈だろ
違うよ。鮃だってば。この図鑑によると「左ヒラメに右カレイ」って書いてあるよ
だから左に両目がある、こいつは鮃だよ。でも、この図鑑には口が小さいのが鰈で、口が大きいのが鮃と書いてあるよ
う～ん、どっちだろう
おい、どうしたんだい
あっ、叔父さん
ほお、なるほど。鮃なのか、鰈なのかで揉めているわけだな。難しい問題だな。海外では左に目がある鰈もいるからね。あっ、そうだ、閃いたぞ。刺身にしてみよう。食べてみて、さっぱりしているのが鮃で、味にコクがあるのが鰈だ。もし、お前たちが捕まえたこの魚が鰈だとしたら高級魚だからね。目ん玉が飛び出るほど美味しいぞ。
えっ、僕たちの目が外に飛び出ちゃうの。そんなの困るよ。もう、こんな魚いらない。これは叔父さんにあげるよ
えっ、いいのかい。すまないね。君達とは違って叔父さんは目が無いんだ。それに、こんな大物には滅多にお目に会えないからね