真夏の尾行
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八月半ばの火曜日、おれはいつものように得意先をまわっていた。
夏の太陽が真上からギラギラと照らしている。気温は39度になったが、予報ではまだ上がるらしい。
会社を出てまだ20分足らずだと言うのにシャツはぐしょぐしょに濡れている。汗はどんどん滴り落ちる。
その時。
視線を感じた。
しかもかなり近くに。
平日の昼間だからだろう、道には人っ子ひとり見当たらない。
それでも確かに感じる。
ひったくり?強盗?ストーカー?
考えてもわからない。
暑さで思考が沸騰し、おれは振り返って叫んだ。
「いるのはわかってるんだ!出て来い!」
すると、太陽に照らされて強い黒を異様に纏ったおれの影が、立体になって目の前に現れた。
「大丈夫、誰もいない。気のせいだよ」
そう言って影はまたおれの足元の平面に戻った。
なんだ、気のせいか。
おれはほっと胸をなでおろし、陽炎のように揺らめく景色に向かってまた歩きだした。
夏の太陽が真上からギラギラと照らしている。気温は39度になったが、予報ではまだ上がるらしい。
会社を出てまだ20分足らずだと言うのにシャツはぐしょぐしょに濡れている。汗はどんどん滴り落ちる。
その時。
視線を感じた。
しかもかなり近くに。
平日の昼間だからだろう、道には人っ子ひとり見当たらない。
それでも確かに感じる。
ひったくり?強盗?ストーカー?
考えてもわからない。
暑さで思考が沸騰し、おれは振り返って叫んだ。
「いるのはわかってるんだ!出て来い!」
すると、太陽に照らされて強い黒を異様に纏ったおれの影が、立体になって目の前に現れた。
「大丈夫、誰もいない。気のせいだよ」
そう言って影はまたおれの足元の平面に戻った。
なんだ、気のせいか。
おれはほっと胸をなでおろし、陽炎のように揺らめく景色に向かってまた歩きだした。
ミステリー・推理
公開:18/03/25 22:15
更新:18/03/26 07:40
更新:18/03/26 07:40
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