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まだ寒さが残る朝、突き抜けるように青く澄む空。
改札の向かい側の2番ホームのベンチに座る私。

都会という遠くへ私を運ぶ汽車が来るまであと2時間。
きっと来ないあなたを待つにはとても長すぎる。

改札をつい確認してしまう。

1時間に1本来るか来ないかの田舎町。
この2時間走馬灯のように巡った想い出と向かい側の1番ホームを、入ってきた汽車が覆い隠した。

『一緒に居られないなら、この町から出ていく!』

あなたは何も言ってくれなかった。

「どうする?私、乗っちゃうよ?」

私は、窓からちょうど改札が見えるドアの前に立った。

ベルが鳴る…。
窓越しに、改札の前に立ち尽くす人影が見えた。
「あっ!…」

汽車がいなくなり揺れながら視界が広くなった。
高1のとき初めてあげた2人のイニシャル入りのセーターを着たあなたが立っていた。

2番ホームの私…
「ねぇ!恥ずかしすぎて、急にお腹すいた!」
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公開:18/03/27 12:58

kaoru3737

小説とは...がそもそもわかってない私が、お誘いをうけてSSGに参加させていただくことに...。

拙い作品ですが、400字ほどのお時間をいただけるようでしたら、お読みいただき、ご意見・ご感想などをいただけますと幸いです。

[所属等]
◆全日本かくれんぼ協会 副会長
◆フリー(無料)DJ&MC
◆手話サークル代表
◆温泉ソムリエ
◆レターポット研究家

[趣味]
バンド(ドラム)、作詞作曲(ギター)、映画•美術鑑賞、手話、韓国語、英会話…etc.

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