これが文明の進化

アンドロイドが家庭にも広く普及している。それは専門家でないと区別がつかないほどに、進化していた。
そして、専門家はアンドロイドの修理で生計を立てていた。
そこにやってきたある男の話。

「こいつ、新型のアンドロイドなんですけど、一昨日からおかしいんです。元気がなくなったみたいで、ずっとこんな感じなんです。」
横に座っている女は、俯いている。
「なるほどね」と修理屋。
すると女は、ぼそぼそ呟くように話す。
「……彼、まるで私のことをアンドロイドみたいに言うんです。アンドロイドは自分なのに。」
「やはりそういうことだったんだね。大体昔から、機械ってのは叩けば直るんだ」
修理屋の男は立ち上がり、男の頭に手刀打ちをした。
横にいた助手が慌てて言う。

「アンドロイドは、女のほうです」