川の流れは変わらない

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東京の川は怖いね。
彼女は言った。

金八先生が歩いていた土手。荒川と隅田川が見えるあたりの首都高を車で通った時に…そう言った。

水面が地上と同じくらいに高いのだ。ゼロメートル地帯だものね。
ボクにとっては日常の風景だが、彼女にとっては水が溢れそうな異様な光景なのだ。

逆に、ボクが彼女の住まい…神奈川に行くとギョっとする。

水は流れているものの、川の水面が低いのだ。
大雨でも降らなきゃ川の水面は高くならないのだそうだ。

同じ川という単語でも、これだけ違いがあるのだ。

お互いどれだけ認識のズレがあるのだろう…

これからボクは、彼女とこの認識の相違の確認を死ぬまで続ける旅に出るのだ…

彼女の苗字は、今日ボクと同じになった…
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公開:18/03/27 00:43
更新:18/03/27 00:48

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