ソーダと地球

殺害現場から犯人が煙の様に忽然と消えた。何の痕跡も残さずに。これは何を意味するのだろうか
人が部屋の中に入れば指紋や毛髪など何らかの証拠が残るはず
それが無いとなれば犯人はどうやって被害者宅に侵入したのだろう
そして殺害後、どうやってその密室から逃げたのだろうか
家の鍵はスペアキーを含め被害者が持っていた
この部屋から簡単に逃げられるはずがない。何か秘密があるはずだ
例えば被害者が普段、常備薬のカプセルを持ち歩いている事を知っている人物
犯人は被害者の身近な人間か。口裏を合わせているのだろうか。アリバイをもう一度洗ってみよう
嘘を付いているのは一体誰だ

ふぅ～私は推理小説の執筆を一旦止め、レモンソーダに手を伸ばす。一口含み、目の前のパソコンに地球科学と入力し、自然を使ったトリックを模索する。氷塊で被害者を撲殺、太陽の熱で凶器を蒸発、ドライアイスにより死後硬直時間の変更、雪による足跡隠蔽。