演技派俳優

0
182

俺は荻原マコト、俳優さ、どんな難しい演技も俺の手にかかればお茶の子さいさいさ。
俺は馴染のバーの、いつもの席で、いつもの注文をする

いつもの
あいよ
スゥーと俺の席にグラスが流れてくる。
あぁ、さわやかな味だ、のど越しがいい、やっぱり、苺ミルクは最高だ
向こうの席を見ると俺のことをチラチラ見ている女性がいる。おれのファンかもしれない
君、一人かい
甘い声で彼女に囁く。
ええ
待ち合わせかい
違います、一人です、急に飲みたくなって
彼女は甘ったるい声で返した。
どうだい、今日は俺と飲まないか
困ります
俺は本気だぜ
ふふ、そういうことにしておきましょ
ところでさっきなんで俺の事をチラチラ見ていたんだい。俺がハンサムだったからかい。
ふふ、だって、あなた、店に入ってきたときから、ズボンのチャックが全開だったんだもの
お~、なんてこった。俺は気付かぬうちに失態を演じていたようだ。
公開:18/03/23 11:16
更新:18/03/23 13:29

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容