恋のライバル

転校生だ、といってもお前たちは知っているだろ、一年前に留学へいった斎藤壮馬。斎藤桂馬の双子の兄。説明は以上。授業を始めるぞ

壮馬はさわやかでモテる奴だった。休憩時間になるとクラスのみんなが彼の周りに集まり話を聞こうとする。
お調子者の西山が壮馬の肩にブロンドの髪を発見した。
あぁ、これか、帰るときにジョディーが抱き付いて離してくれなかったんだ
クラスの男達がその些細な言葉じりを聞き逃さなかった
そいつって美人
美人というよりはかわいいかな
おぉ～と歓声があがる
胸は大きい
そうだなぁ、どちらかといえばスマートかな
私は自分の胸に視線を下ろし、ひそかにガッツポーズをとった。
写真あるけど見る
興味なさそうにしていた女子も興味を示した。クラスの視線がその一枚の写真に集中する。
その写真には、ホームステイ先のオジサン、壮馬君、そしてブロンドでスマートな犬がいた。
壮馬はイタズラな顔をしている。