ピーマンの肉詰め
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「夕食はピーマンの肉詰めよ」
「ドレッシングは胡麻とイタリアン、どっちにする」
僕は台所から聞こえる言葉に一切反応せずテレビを見ていたが、次に妻が発した言葉には反応せざるを得なかった。
「事務の坂本さんって美しい方ね」
「坂本がどうした」
「今日坂本さんを呼んでお話をしたの。彼女、全て話してくれたわ」
「ほんの出来心だったんだ」
「そう。あなたの行動が出来心で済むなら、私のこれも出来心で許されるわよね」
「うっ…」
ピーマンの肉詰めが運ばれてきた。
5つのピーマンにはそれぞれ2本ずつ指が詰められていた。見覚えのあるサーモンピンクのネイルが緑の中で輝いている。
「彼女は…どうなったんだ…」
「大丈夫よ。殺したりはしていないわ。詰めたのは指だけよ」
「ねぇ、あなた」
僕は返事をしようとしたが、声がかすれて息が漏れただけだった。
「あなたは食べるのと食べられるの、どっちにする」
「ドレッシングは胡麻とイタリアン、どっちにする」
僕は台所から聞こえる言葉に一切反応せずテレビを見ていたが、次に妻が発した言葉には反応せざるを得なかった。
「事務の坂本さんって美しい方ね」
「坂本がどうした」
「今日坂本さんを呼んでお話をしたの。彼女、全て話してくれたわ」
「ほんの出来心だったんだ」
「そう。あなたの行動が出来心で済むなら、私のこれも出来心で許されるわよね」
「うっ…」
ピーマンの肉詰めが運ばれてきた。
5つのピーマンにはそれぞれ2本ずつ指が詰められていた。見覚えのあるサーモンピンクのネイルが緑の中で輝いている。
「彼女は…どうなったんだ…」
「大丈夫よ。殺したりはしていないわ。詰めたのは指だけよ」
「ねぇ、あなた」
僕は返事をしようとしたが、声がかすれて息が漏れただけだった。
「あなたは食べるのと食べられるの、どっちにする」
ホラー
公開:18/03/23 01:13
北海道出身です。
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