ブラックボックス

キーーーーーーン…



ぐらり


警報のような耳鳴りとともに
地面がぐにゃりとしなり
地球の真ん中に穴が開いた

ヒョオオオオオ…！

すきま風とも地球の唸り声とも判らぬような不気味な音とともに
地球上のあらゆるものが
砂時計の砂のようにさらさらと音もなく吸い込まれ
私の身体ももはや抗うすべもなく
じりじりと無慈悲な穴に近づいていく

小さく見えていた穴は近付くにつれどんどんと拡がり
ブラックボックスへと変わっていった

未知なる恐怖にキュッと目を瞑る

いやだ！まだ逝きたくない…！


そう思ったその時目が醒めた


よかった…夢だった…


うなされていたようだ
びっしょりと汗をかき
喉がカラカラに乾いていた

私はホッと胸を撫で下ろし
大きく深呼吸をして息を整えた

窓の外はまだ仄暗い
水を飲もう…
ひっそりと静まり返る台所に立った



キーーーーーーン…