夜の世界

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たとえ帰りが遅い日でも、家の事そっちのけで読んでしまうくらい熱中している本がある。

その本の世界は、常に夜だった。「日が昇る」という概念すら机上の空論として描かれている。
主人公はそんな世界に疑問を抱く。
そして、「日が昇る」という妄想を真実にする為に夜の世界へ冒険に旅立つ、というストーリーから始まる。


突然、部屋の明かりがパッと消えた。同時に私の視界も消え、一瞬にして夜の世界に包まれる。
(何だ一体……え……まさか、本の世界に入り込んで……)
それこそ妄想なのだろうが、置かれた状況に私はただ混乱するしかなかった。

とにかく落ち着こうと、手探りでペットボトルを手に取り、水を口に含む。
それが功を奏したのか、私はある事を思い出した。
私はスマホのライトを頼りに、電気代の請求書を確認すると、支払期限がちょうど過ぎていた。
私は、少しは家の事も気に掛けようと反省した。
その他
公開:18/03/21 21:45
更新:18/03/22 11:24

ゴッペ

だいぶ休んでしまいましたが、またちょくちょく投稿できればといいなぁと思います。
コメントもありがとうございます。
どうぞよろしくおねがいします

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