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見事にばらばらな点々を、線でつないで生まれた星座みたいになれたならどんなに素敵だろう。そう願って田舎の満点の星空を眺めたままの子どもが住み続けている。統一感とか一貫性とかはまわりが感じるものであって、自分で意図的に作り上げることなどほんとうにできるのだろうか。閉じこもってしまわないように、上手に。星はただそこにあるだけで、まわりが自由に呼吸するから、きらきらと輝いて見えるのかもしれなかった。誰も悪くない時間と空間。やさしさのある場所。専門家の見解だけがすべてじゃなかった。望遠鏡さえなくてもよかったのかもしれない。ただその全体の感じを、見つけることが大事だった。星のようにあれたら。それを知るためだけに田舎に生まれてきたのだとしても、十分だと思った。
その他
公開:18/03/21 13:16
更新:18/03/30 18:32
更新:18/03/30 18:32
エッセイ
星
400字のことばを紡ぎます。
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