ステキな笑顔の彼女

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俺は女の笑顔が本物かどうか瞬時に見抜くことができる。

自慢じゃ無いがそこそこモテる俺の周りには、常に容姿に自信のある女達が取り巻いている。しかしいくら容姿が整っていようとも、嘘を貼り付けている笑顔ほど醜く感じることはない。

そんな俺が恋に落ちた。

相手は、いつも行くバーに新しく入った楚々とした美しさを持つ女だった。彼女は声が出ないらしく客の話に相槌を打ちつつも、いつも無言でただ静かに笑っている。

その笑顔は、華やかでは無いが見る人の心を癒すような温かさを持っており、落ち着いた店内の雰囲気にも妙に合っているのだ。俺はその笑顔にノックアウトされ、足繁くそのバーに通う日々を続けている。




ちょうどその頃、バーの店主は上機嫌だった。

「いやぁ最初は不安だったが、彼女はよく働くし余計なことは言わないし客は増えるし、購入して正解だったな。さすが人間心理を追求した究極の人造ロボットだ」
SF
公開:18/03/21 09:24
更新:18/03/21 10:28

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