K君のドライヤー
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アイデアが出ず、会議の雰囲気は重い。
「ねえ、シャンプー忘れたの?」
隣のK君に小声で話しかけた。
「してきましたけど、それで解決出来る類ではないです」
結局会議は午後に持ち越された。
会議が再開されるといきなりK君が発言をし、それを皮切りに大幅に進展した。
「ねえ、なんで?」
会議室を出てすぐにK君に聞いた。
何の事です?と言うかと思いきや、彼は笑顔で引き出しからドライヤーを取り出した。
「今度はドライヤー?」
「はい。これを使うと頭の中が煮詰まるんです。昼休みにやりました」
突拍子もない話だけど、もう免疫が出来ている。
「貸してよ」
「どうぞ。でも長い時間使わないで下さい」
「なんで?」
「やり過ぎると頭の中が蒸発しちゃうんです。下手したら記憶まで」
試しに使ってみた。K君はまだ喋っている。
「あなたに僕のこと忘れられたらイヤですから」
ドライヤーの音に消されて聞こえなかった。
「ねえ、シャンプー忘れたの?」
隣のK君に小声で話しかけた。
「してきましたけど、それで解決出来る類ではないです」
結局会議は午後に持ち越された。
会議が再開されるといきなりK君が発言をし、それを皮切りに大幅に進展した。
「ねえ、なんで?」
会議室を出てすぐにK君に聞いた。
何の事です?と言うかと思いきや、彼は笑顔で引き出しからドライヤーを取り出した。
「今度はドライヤー?」
「はい。これを使うと頭の中が煮詰まるんです。昼休みにやりました」
突拍子もない話だけど、もう免疫が出来ている。
「貸してよ」
「どうぞ。でも長い時間使わないで下さい」
「なんで?」
「やり過ぎると頭の中が蒸発しちゃうんです。下手したら記憶まで」
試しに使ってみた。K君はまだ喋っている。
「あなたに僕のこと忘れられたらイヤですから」
ドライヤーの音に消されて聞こえなかった。
その他
公開:18/03/21 23:04
更新:18/03/21 23:18
更新:18/03/21 23:18
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