鍵穴の万華鏡
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通学路に不気味な洋館がある。外見は綺麗だけど人気がなく窓も扉も閉め切っていて少し近寄りがたい雰囲気がある。
学校帰りに洋館の入り口で鸚鵡が繰り返し鳴いているのを見た。「ヨッテッテ!」と。そして僕の前をバサバサと行く手を阻むように飛んだ。僕は嫌々洋館の扉を叩いた。でもなんの応答もなかったから引き返そうとすると鸚鵡が今度は「ミテミテミテミテ」と鳴いた。帰ろうとすれば腕をつつかれた。窓は閉め切っていたのでドアノブの下の鍵穴を覗く。
見えたのは円形のステンドグラスだった。菊花のように放射状に配置されたガラスは色鮮やかに光っていた。ガラス同士を黒い線が縁取る。手を置いていたドアノブを回すと、カチリと模様が切り替わった。
たくさんの手のひら。
驚いてノブをまた回す。
スカートをはいた足。
ランドセル。
その時僕はこの地区での女子児童集団行方不明のニュースを思い出した。
学校帰りに洋館の入り口で鸚鵡が繰り返し鳴いているのを見た。「ヨッテッテ!」と。そして僕の前をバサバサと行く手を阻むように飛んだ。僕は嫌々洋館の扉を叩いた。でもなんの応答もなかったから引き返そうとすると鸚鵡が今度は「ミテミテミテミテ」と鳴いた。帰ろうとすれば腕をつつかれた。窓は閉め切っていたのでドアノブの下の鍵穴を覗く。
見えたのは円形のステンドグラスだった。菊花のように放射状に配置されたガラスは色鮮やかに光っていた。ガラス同士を黒い線が縁取る。手を置いていたドアノブを回すと、カチリと模様が切り替わった。
たくさんの手のひら。
驚いてノブをまた回す。
スカートをはいた足。
ランドセル。
その時僕はこの地区での女子児童集団行方不明のニュースを思い出した。
公開:18/03/20 21:04
読んでいただきありがとうございます。
話のおもしろさ云々はひとまず置いといて、とりあえず一本完結させることを重視して書いてます。
朗読ラジオ「月の音色リスナー」です(^o^)/
低浮上中なのでコメント返し遅れるかもですが必ずお返しします。
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