メニューにない花

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空を見上げると雲間から白い花がふわり、ふわりと幾つも宙を舞い、ピトッと僕の肩や地面に10点満点の着地をした
雪の花である
月明かりに照らされて白銀とも金とも言えぬ色に染まった花は最後には私色に染まり、掌で静かに消えていく
辺りを見渡せば庭先に雪の花の絨毯が敷き詰められていた
私は思わずその絨毯にダイブした。すると絨毯には私の型が象られた。なんとも滑稽な形だ
でも、ひんやりとして気持ちが良い。これを夏場に出来たらどんなに気持ちが良いだろうか
そんな事をふと思い、私は空をまた見上げた
それから季節は流れ、夏になった
川辺から夜空を見上げると点滅を繰り返す蛍の光が宙を舞っていた
何とも幻想的な光景である。あの花さえ咲いていなければ
花火である
ヒュー、ドーン、ドーンと盛大に火花を散らし、地上に降り注いでいる
なんとも情緒の欠片もない花だ。人間はあんなもののどこが良いのだろうか。五月蠅いだけなのに
公開:18/03/20 14:51
更新:18/03/20 22:27

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