隠し味ペペロンチーノ

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爪の垢を煎じて飲む。その言葉がことわざだったのはもう随分昔の話だ。
「あのー、一番かわいい爪が欲しいんですけどー」
「こちらのモデルの爪など如何でしょう」
それなりにお金を詰めば、いくらでも人の爪が買える。そんな時代になった。
爪を食べれば、その爪の持ち主の恩恵が受けられるのだ。個人差はあれど、効果は絶大だ。
ただ、嗜好品に分類されるそれは一般人には手が出しにくい。そう、税率が高い。
「あんたまたペペロンチーノ食ってんの」
「うん」
私は相変わらずペペロンチーノを食べ続ける。
「飽きない?」
「一周まわってこれが一番いいかなって」
「なんじゃそら」
ペペロンチーノをひたすら食べる。鮮やかな赤も残さず食べつくす。
「能あるなんちゃらはなんちゃらちゃらって言うでしょ?」
「まったく分からん」
友はそう言って、コンビニで売ってる女子高校生の爪を齧る。
そう私はいつの日か、大空を羽ばたく夢をみる。
ファンタジー
公開:18/03/18 12:10

テトリ

思い付いたものを適当に。

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