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胸の上が重く目が覚めた。
ミャウと言って甘えてくる…

ああ、昨日雨の中ずぶ濡れになってたのを拾ったんだっけ。

時計を見るともう仕事に向かう時間だ。

軽く朝食を取り出ようとする。
後ろを振り向き顔を見ると微笑んだ気がする。しがない一人暮らし。居なくなってもいいように、電気を点けっぱなしにし、鍵をかけずに。

いつもは遅くまで働くのだが、もしかしたらまだいるかもな、と残業もせずに帰宅した。

玄関を開けると、真っ暗だった。
居なくなったんだな。可能性としては想像してたので、落胆は少ない。

テーブルの上には律儀にも食費であろう夏目漱石とメモが残っていた。

「昨日はありがとう、暖かかったわ。会う事もないだろうけど嬉しかった」

…欲しかったのはお金でも感謝でもなく…いや、それ以上は言うまい。

ボクはおもむろに部屋の本棚からボロボロになったツルゲーネフのはつ恋を取り出し読み始めた。
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公開:18/03/18 00:10
更新:18/03/18 02:13

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