私を閉じ込めて

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 ボタンを押されてピカッとフラッシュが閃光した。機械の下側から一枚の紙が排出される。私の姿その中に閉じ込められている。鮮やかな色。悲しい色。暖かい色。誰もが知ってる色が視覚に入ってくる。その中に私が幽閉されている。

 「ここから出してくれ、私は閉じ込められた」

 叫べど叫べどそこからは出られない。紙の中で終身刑。写真が燃えれば私は出られるが、出たら私の魂はどこへ行く。閉じ込められた私はどこへ行く。

 「ずっとこのままの態勢で閉じ込めるのか」
 「そうさそうとも。お前はここで第二の命を終わらせるのさ」

 一度切り取られた私の魂はここから出ることはない。永遠に形をとどめたまま、この体制で動かない。生を感じれない。第二の人生はここで始まりここで終わる。時間はその中で流れることはなくここはいつも 1995年8月1日
ファンタジー
公開:18/03/19 00:36

ヒルタ

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