空想上のカップル

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呼吸が苦しくなるほどに、彼を愛しているが報われない。私はこんな現実が大嫌いだ。
私は趣味で小説を書く。例えば授業中、現代文や数学などのノートにある余白に、超短編小説を夢中で書く。私は現実の報われない恋を、超短編の中で輝かせている。
空想の世界では、私はいつだって愛されている。自分が胸に抱いた、彼に対する愛情の大きさだけ、自分は素晴らしい愛情を彼から受け取る。手を繋ぐのは日常的で、時には接吻したりもする。
短編小説に夢中な私。でも困ったことが起きた。私が一途な恋の超短編を書き出してから、現実の彼の目を見ることが億劫になった。
ある放課後、帰りしなの電車で彼が隣に座ってきた。彼は友好的な性格だから私に話しかけてくれる。でも私は顔を真っ赤にして黙っていた。
「どうして黙っているの?」
「チカイと話すのは初めてだから。」
「そのわりには呼び捨てなんだね。」と彼が笑う。
やってしまった……
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公開:18/03/18 15:26
更新:18/03/18 17:36

hiraginosyuha

小説家を目指して、日々、公募に出すための小説を書いています。温かい目で見守って頂ければ幸いです。
twitterをしているので、よければ目を通して下さい。@hiraginosyuha
無言フォローでも嬉しいです。フォロバは必ず致します。
 

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