旅と猫

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会社を首になった。

遠くの港町、埠頭の先に座ってぼーっと夕日を眺める。
「にゃーん。」
そう言って顔を擦り付けてくる。いつの間にか茶色のトラ猫がそばに来ていた。
背中を撫でるとゴロゴロいう。猫はかわいいなぁ。しばらくするとゴロンと横になってこっちを見てきた。なにかあげられるものでもあればいいけど、撫でることしか出来ない。すまない。
日が落ちる頃には猫はスクッと立ち上がって帰っていった。

次の日また夕日を眺めに行く。念の為、煮干しを懐に忍ばせて。埠頭に着くと先にあのトラ猫が香箱座りしていた。近づいても逃げない。人懐っこい。横に着く頃にはまたゴロンとする。まったくかわいいなぁ。暫くなでた後、上着の内ポケットから煮干しを取り出す。
「にゃーん。」
むしゃむしゃと美味しそうに食べる。そう思ったら煮干しの頭だけペッと捨てる。全くグルメなやつだ。存分に撫でさせてもらことにした。帰ったら猫を飼おう。
その他
公開:18/03/16 20:09
更新:18/03/16 20:13

ひさみん

ショートショートというよりも短編小説、掌編小説という感じになってしまうかもしれません。
自分のペースでやっていこうと思っております。
ショートショート・ガーデンにアクセスする頻度は高くありません。
1回のアクセスで多くても10作品見るかどうかです。すみません。

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