どこまでもドア

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人間が想像できることは、人間が必ず実現できる by ジュール・ヴェルヌ

人間が想像できた物で、これほどまで人間に欲された秘密道具があっただろうか。いやない。
そう、あの全人類の夢「どこでもドア」が開発されたのだ。

夢のような道具に夢のない話だが、その開発費用は計り知れず、また名称の利用の権利等々も絡み、販売価格は跳ね上がった。
更に発生の割合は少ないものの他の移動手段同様無事故ではなかった。

それでも、世のお金持ち達はその便利さに魅せられ道具は徐々に売れていった。
俺のような貧乏人は彼らのお下がりが中古に出るのを待つしかなかった。

ある日中古ドア専用オークションで掘り出し物を見つけた。
他の中古品の三割の価格で、しかも即決だった。
飛びついて落札したのは、開けど開けどドアばかりの「どこまでもドア」
ホームページの『類似品にご注意ください』の赤字のゴシック体が恨めしかった。
SF
公開:18/03/15 23:30
更新:18/03/16 12:09

水田村(みたむら)

ご無沙汰しておりました。リハビリ中につき日記のようなものしか出ませんがよろしくお願いいたします。
Twitterアカウント(@mitamura2018)

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