蟻嚼(ぎしゃく)
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唸り声を止めた空は青く、高くを裂いていた。そんな上側を無視して、私は俯く。茶でも黒でもない半端な色の瞳で、地面を抉り取ろうとする。
しかしながら私程度の視線では、アスファルトの下まで貫けない。表面をなぞることすらままならない。
視認と触覚のみで構築された世界を、どこまで信じてもそれはただの感覚に過ぎず、見る人見る人で全てが変わる。
灰に染まった地面を這う、一ミリほどの蟻の大群は、何か粒を持って練り歩く。彼らの視認と触覚のみで作り上げられた世界、持つ小さな粒に私が触れたら、壊れてぷつんと潰れてしまうのだろう。
地面を抉り取った蟻の顎を指先一つで壊せる私は、少し高い所から地面に倒れただけで血塗れ。ぷつんと潰れてしまうのだろう。いつか私も、何か大きなものに触れられて。
蟻に嚼まれた私の世界は、形を変えずに横たわる。抉られ、潰れる時に怯えながら。
しかしながら私程度の視線では、アスファルトの下まで貫けない。表面をなぞることすらままならない。
視認と触覚のみで構築された世界を、どこまで信じてもそれはただの感覚に過ぎず、見る人見る人で全てが変わる。
灰に染まった地面を這う、一ミリほどの蟻の大群は、何か粒を持って練り歩く。彼らの視認と触覚のみで作り上げられた世界、持つ小さな粒に私が触れたら、壊れてぷつんと潰れてしまうのだろう。
地面を抉り取った蟻の顎を指先一つで壊せる私は、少し高い所から地面に倒れただけで血塗れ。ぷつんと潰れてしまうのだろう。いつか私も、何か大きなものに触れられて。
蟻に嚼まれた私の世界は、形を変えずに横たわる。抉られ、潰れる時に怯えながら。
その他
公開:18/03/14 22:57
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