病気になる診察券
1
170
見慣れぬ封筒が届いた。中には一枚の紙と診察券。
「〇日までに必ず受診しましょう。さもなくば、あなたは不思議な病気になります」
紙にはこの二文のみ。
イタズラだと思い、私はその封書を投げ捨てた。
しばらく経ったある朝のこと。鼻に何かが詰まる感触で目が覚めた。昨夜、鼻にティッシュ詰めたっけな? 私はそれを取り除いた。
手に現れたのは、純白のカーネーション。モゾモゾ。今度は両鼻に違和感を覚えた。引き抜く。手には計三つの白い花。
私は思い出した。今日はあの手紙の期日の翌日だ。まさかこれが「不思議な病気」なのか。抜いても抜いても、花は咲き続ける。
必死に探したが、あの診察券は見つからなかった。
マスクをして、近くの病院を受診した。大学病院に回された。大人数の医師や学生に囲まれた。いつしかテレビデビューを果たした。
あの出来事から数年。今は、宗教法人「幸せの白い花」を立ち上げ、教祖、やってます。
「〇日までに必ず受診しましょう。さもなくば、あなたは不思議な病気になります」
紙にはこの二文のみ。
イタズラだと思い、私はその封書を投げ捨てた。
しばらく経ったある朝のこと。鼻に何かが詰まる感触で目が覚めた。昨夜、鼻にティッシュ詰めたっけな? 私はそれを取り除いた。
手に現れたのは、純白のカーネーション。モゾモゾ。今度は両鼻に違和感を覚えた。引き抜く。手には計三つの白い花。
私は思い出した。今日はあの手紙の期日の翌日だ。まさかこれが「不思議な病気」なのか。抜いても抜いても、花は咲き続ける。
必死に探したが、あの診察券は見つからなかった。
マスクをして、近くの病院を受診した。大学病院に回された。大人数の医師や学生に囲まれた。いつしかテレビデビューを果たした。
あの出来事から数年。今は、宗教法人「幸せの白い花」を立ち上げ、教祖、やってます。
ファンタジー
公開:18/03/15 22:31
ログインするとコメントを投稿できます