2
186
鬱蒼と茂る山道を歩く彼の後をついて行く。
足元の植物が急速に成長する。
私が歩いた後には枯れた植物の残骸が倒れている。
立ち止まると彼は手を引いてくれる。
(何処に行くの?)
声は声にならず掠れた音となって溢れた。彼は振り返らずに進む。
険しくなって行く道と生い茂る植物……私に触れると枯れてゆく植物。
(何処まで行くの?)
言葉にならず音は吹き荒ぶ。
いつしか雪がちらついている……違う、これは山桜だ。
彼は足を止めない。私も彼の手を離せずにいる。
鬱蒼とした山道の高い頂上、酸素が薄く呼吸が苦しい。彼は止まらない。私も止まれない。
切り立った崖の上から、2人で落ちてゆく。
雨音を耳が拾う…耳だったのだろうか?
軽やかに走って行く足音。
子どもの足音。
私と彼の間に子どもが居たならきっとそう、色づいた声で笑う。
絡まった手足を縺れさせて、私と彼はゆっくりと地面に同化してゆく。
足元の植物が急速に成長する。
私が歩いた後には枯れた植物の残骸が倒れている。
立ち止まると彼は手を引いてくれる。
(何処に行くの?)
声は声にならず掠れた音となって溢れた。彼は振り返らずに進む。
険しくなって行く道と生い茂る植物……私に触れると枯れてゆく植物。
(何処まで行くの?)
言葉にならず音は吹き荒ぶ。
いつしか雪がちらついている……違う、これは山桜だ。
彼は足を止めない。私も彼の手を離せずにいる。
鬱蒼とした山道の高い頂上、酸素が薄く呼吸が苦しい。彼は止まらない。私も止まれない。
切り立った崖の上から、2人で落ちてゆく。
雨音を耳が拾う…耳だったのだろうか?
軽やかに走って行く足音。
子どもの足音。
私と彼の間に子どもが居たならきっとそう、色づいた声で笑う。
絡まった手足を縺れさせて、私と彼はゆっくりと地面に同化してゆく。
その他
公開:18/03/14 22:24
BIRTHDAY: 1987.5.21
憑幻家、鏡花水月を着地点に創作して居る。
ログインするとコメントを投稿できます