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太古──。人の世は白と黒と灰色で出来ていたという。
絵を描くのが大好きな神が、『色』を自分だけのものにしていたからである。
世界の『色』を自分の絵具箱だけにしまい込み、自分が描く絵にだけ使っていた。
制作に熱中するあまり何日も眠らないこともあった。
ある日、ついウトウトと居眠りをしてしまった神は、うっかり絵の具箱を倒してしまった。
気が付いた時には既に遅く、絵の具は空に七色の放物線を描きながら黒い大地に降り注いだ。
地上の乾ききっていた黒い土たちは、たちまち絵の具を飲み干した。
そうして
緑の芽を生やし──。
茶色の木々になり──。
色とりどりの花を咲かせた──。
大地が飲みきれなかった青い絵の具は海へと流れ、海は青くなった──。
天上からその様子を見ていた神は、地上に現れた自然の絵画の美しさに筆を折り、
それからも気まぐれに絵の具を降らすようになったという。
絵を描くのが大好きな神が、『色』を自分だけのものにしていたからである。
世界の『色』を自分の絵具箱だけにしまい込み、自分が描く絵にだけ使っていた。
制作に熱中するあまり何日も眠らないこともあった。
ある日、ついウトウトと居眠りをしてしまった神は、うっかり絵の具箱を倒してしまった。
気が付いた時には既に遅く、絵の具は空に七色の放物線を描きながら黒い大地に降り注いだ。
地上の乾ききっていた黒い土たちは、たちまち絵の具を飲み干した。
そうして
緑の芽を生やし──。
茶色の木々になり──。
色とりどりの花を咲かせた──。
大地が飲みきれなかった青い絵の具は海へと流れ、海は青くなった──。
天上からその様子を見ていた神は、地上に現れた自然の絵画の美しさに筆を折り、
それからも気まぐれに絵の具を降らすようになったという。
ファンタジー
公開:18/03/14 00:39
【椿あやか】(旧PN:AYAKA)
◆Twitter:@ayaka_nyaa5
◆第18回坊っちゃん文学賞大賞受賞
◆お問合せなど御座いましたらTwitterのDM、メールまでお願い申し上げます。
◆【他サイト】
【note】400字以上の作品や日常報告など
https://note.com/nekometubaki
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