3月14日の朝

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「ん?」
「どうしたの、ヒロミ?」
「いや、机の中に何か…」
教科書を入れようとした机の中に、何かが入っていたようだ。取り出すと、四角い箱にラッピングが施されている。そこにメモが付いている。

「『お返しです。直接渡せなくてごめんなさい』?」
「…あ」
「何?」
「ヒロミさ、バレンタインデーに男子にチョコ配りまくってたから、それじゃない?」
「あぁ、なるほどね。えー誰だろ?てか、普通ちゃんと渡すのが礼儀ってもんじゃない?」
「…だよねー。」

礼儀も何も、強引にチロルチョコを「3倍返しね」と言いながら押し付けていたヒロミの図々しさに内心辟易する。言ったらいじめの対象が私になりそうだから言わないけど。



翌日、ヒロミは学校に来なかった。
そのまた翌日から、ヒロミの机には菊の花束が置かれた。

15日のあの日、後ろの席から「ざまあみろ」と聞こえたような気がしたのは、まだ誰にも言っていない。
ホラー
公開:18/03/14 00:27
更新:18/03/15 20:21

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