4
199
「ひとつ星てんとう虫。みつけた!」
暮れなずむ川原。小さな娘の姿を隠さんばかりに草木が生い茂っている。
──いいかげんに帰ろうよ。
と、声をかけた時である。
嬉しそうに両掌を籠のように合わせ、娘が駆け寄って来て、言った。
「ママ!ひとつ星てんとう虫。みつけた!」
──ひとつ星てんとう虫なんて種類は無いんだけどなぁ。
──二つ星てんとう虫か他のてんとう虫と間違えているのかな。
田舎育ちで虫好きだった私は、てんとう虫の種類を思い浮かべながらひとりごちた。
──帰ったら図鑑を見せてあげよう。
娘の目線に合わせてしゃがむと、可愛い手の籠が開いた。
中にはてんとう虫。その背中には『星』がひとつ輝いていた。
──わぁ。すごいねぇ。
「でしょう?」
てんとう虫は得意気な娘の指先を登りつめると、ふわりと飛び立った。
そしてそのまま夜空に瞬く一番星となった。
もうすっかり日が暮れていた。
暮れなずむ川原。小さな娘の姿を隠さんばかりに草木が生い茂っている。
──いいかげんに帰ろうよ。
と、声をかけた時である。
嬉しそうに両掌を籠のように合わせ、娘が駆け寄って来て、言った。
「ママ!ひとつ星てんとう虫。みつけた!」
──ひとつ星てんとう虫なんて種類は無いんだけどなぁ。
──二つ星てんとう虫か他のてんとう虫と間違えているのかな。
田舎育ちで虫好きだった私は、てんとう虫の種類を思い浮かべながらひとりごちた。
──帰ったら図鑑を見せてあげよう。
娘の目線に合わせてしゃがむと、可愛い手の籠が開いた。
中にはてんとう虫。その背中には『星』がひとつ輝いていた。
──わぁ。すごいねぇ。
「でしょう?」
てんとう虫は得意気な娘の指先を登りつめると、ふわりと飛び立った。
そしてそのまま夜空に瞬く一番星となった。
もうすっかり日が暮れていた。
ファンタジー
公開:18/03/11 01:20
【椿あやか】(旧PN:AYAKA)
◆Twitter:@ayaka_nyaa5
◆第18回坊っちゃん文学賞大賞受賞
◆お問合せなど御座いましたらTwitterのDM、メールまでお願い申し上げます。
◆【他サイト】
【note】400字以上の作品や日常報告など
https://note.com/nekometubaki
ログインするとコメントを投稿できます