ひとつ星てんとう虫。

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「ひとつ星てんとう虫。みつけた!」

暮れなずむ川原。小さな娘の姿を隠さんばかりに草木が生い茂っている。
──いいかげんに帰ろうよ。

と、声をかけた時である。
嬉しそうに両掌を籠のように合わせ、娘が駆け寄って来て、言った。

「ママ!ひとつ星てんとう虫。みつけた!」

──ひとつ星てんとう虫なんて種類は無いんだけどなぁ。
──二つ星てんとう虫か他のてんとう虫と間違えているのかな。
田舎育ちで虫好きだった私は、てんとう虫の種類を思い浮かべながらひとりごちた。
──帰ったら図鑑を見せてあげよう。

娘の目線に合わせてしゃがむと、可愛い手の籠が開いた。
中にはてんとう虫。その背中には『星』がひとつ輝いていた。

──わぁ。すごいねぇ。

「でしょう?」

てんとう虫は得意気な娘の指先を登りつめると、ふわりと飛び立った。
そしてそのまま夜空に瞬く一番星となった。

もうすっかり日が暮れていた。
ファンタジー
公開:18/03/11 01:20

椿あやか( 猫町。 )

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