月下煌めく水飛沫

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夜半、勉強の息抜きにと池の畔を歩く。
パシャと水音。…水鳥かな?
よくある事、が、この時は違った。
女の子!?
不思議と恐怖を感じない。それどころか、アメンボのようにスーッと裸足で水面の上を滑る彼女がクルクルっと回り、月下煌めく水飛沫を脚で跳ね上げる美しさに見惚れていた。

僕に気づいた彼女が詰め寄ってくる。
…ヤバイ
「あなた、見てたわね」
腰に手を置きジッと僕を見やる美少女。
「ごめん」
「まあ、いいわ。どうせ誰も信じないでしょうから」
…その通り
「あの、君は…」
「そーね…幽霊?精霊?魔法少女?好きに呼んでもらっていいわ」
返答に窮していると「ふふっ、それじゃ」と彼女は水面を滑っていった。
…何だったんだ?
その後その池で彼女に会うことはなかった。

「なあ、プールとかどうするんだよ?」
「足の裏から入らなければ大丈夫よ」
「へー…」
入学式の後、僕は隣の席の彼女に話しかけていた。
ファンタジー
公開:18/03/12 19:01
更新:18/03/18 03:20

Kato( 愛知県 )

ヘルシェイク矢野のことを考えてたりします
でも生粋の秦佐和子さん推しです

名作絵画ショートショートコンテスト
「探し物は北オーストリアのどこかに…」入選

働きたい会社ショートショートコンテスト
「チェアー効果」入選

ありがとうございます

 

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