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午前零時、僕は夜行列車に乗って海峡を渡っていました。乗客が証明してくれる。どうだい、アリバイは完璧でしょう
確かにあなたには犯行が難しいでしょう。ですが共犯がいればそれは可能だ
何を言っているんですか。僕には協力してくれるような仲間はいませんよ
本当にそうですかね。まぁ良いです。ところであなたは愛猫家らしいですね。仕事先、プライベートも同伴するくらい熱心な
それが何か
その猫は今、どちらにいますか
きっと列車の貨物室でしょう
それがいないんですよ。何処にもね
何だと、ミケは僕に懐いていた。僕を置いていなくなるはずがない。よく車内を探したまえ。
まあ落ち着いて。きっと愛猫は宝石が保管されている貨物室へ侵入するため、あなたに対して猫を被ったのでしょう。犯行後はこっそり口にくわえ、何食わぬ顔で堂々と車外へ出て行った。まさか、猫が宝石を盗むとは誰も考えないでしょうから
何だと、奴は泥棒猫だったのか
公開:18/03/12 03:12

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