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庭に垂れ下がっていた雲の糸を登るとそこは見た事の無い図書館だった。本棚にはぎっしり古書が並んでいる。勝手に入って良かったのだろうか。
あら、どちら様
すいません、勝手に人の家に入ってしまって。
いいのよ。あなたがここに来たのは偶然ではなく必然。道に迷ったのではなく来るべくして来たの。
それはどういう意味ですか
あなたがここに来たのは本があなたを呼んだから。それ以上でもそれ以下でもないわ。この月の本棚にはいろんな人間の想いが詰まった古書が所蔵されているわ。ある本は呪いを与えるため、またある本は希望を与えるため。みんないろんな能力を持っている。この古書たちはその人間が真剣に望んだ時だけ進んで姿を見せるの。そうね。あなたの場合、不幸を呼び寄せる体質の様ね。きっとあなたを呼んだのはこの本かしら。
それじゃ、僕の体質は治るのですか。
ええ勿論。でもそれ相応の対価は頂くわ。高いわよ。
とんだ蜘蛛の糸だ
公開:18/03/10 12:34

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